こんにちは。YOU太郎です。

私の面白かった体験、勉強になった体験を書いていきます。

YOU太郎の働き方改革~コンサルティング会社の登場2~

こんにちは、YOU太郎です。

 

コンサルティング会社「日並研究所(仮名)」の続きです。

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コンサルティングのありがた迷惑なお話です。

いろんな職種に共通することですが、仕事を効率的に進めるためには独自のツールが必要になります。

 

製造業でいけば製造のための特別なマシン。

同じ製造業でも手作りの場合は金型や型枠、冶具などのツール。

大工さんなら自分で使いやすく手を加えた大工道具。

情報量が乏しくてこれ以上思い浮かばないですが、皆さんも仕事をするうえで自分たちが使いやすく作った独自のツールがあるはずです。

 

私のような販売やサービスの提供の場合でも、「顧客のニーズや現在の契約内容を素早く的確にまとめて、商談をすすめやすくする提案シート」「トラブルや不具合が起こった時に迅速に対応するため、顧客に最低限確認すべきヒアリング項目をまとめたシート」など、顧客・事業所スタッフ双方の現場のニーズから生まれた独自ツールがあります。

 

この日並研究所のコンサルタントツールが大好きです。

属人的な力に頼らず、誰もがほぼ同じレベルのサービスを提供し、ほぼ同じレベルの実績を上げる。

そのノウハウは日並研究所がいろんな成功事例をもとに作り上げたツールに込められているので、これを使うだけでみんなが即戦力になれる。

 

いわばこれが「日並研究所」の売りなのです。

商品力やサービス品質ではなく、現場スタッフの小手先の手段で実績を上げるためのノウハウやツールこそがこのコンサルティング会社の商品なのです(言葉は悪いですが)。

 

ただ、このコンサルタントのイケてないところは、そのノウハウや成功事例を無理やり紙ベースに落とし込んでいることです。

要点はまとめているつもりだと思うのですが、やれヒアリングシート、やれ提案シート、やれ確認シート、やれチェックシート、やれ管理シート、やれ接客フローシートやたらツールの数が増えていくのです。

 

ツール(シート)というものはA4用紙一枚に分かりやすく収めることが重要で、それ以上の情報量になると顧客もスタッフもとたんに使いにくくなり、ツールの意味をなくすのです。

 

例えば、街頭アンケートで簡単なアンケート1枚と、5・6枚束になったアンケートでは、アンケートを取るほうもアンケートに答えるほうもどちらがハードルが低く、より答えてもらいやすいか子供でも分かります。他に必要な情報があればそこから話を広げれば良いだけです。

 

ただそのコンサルタント「論理的」に「多くのデータや数値」に基づいた正論をならべて、この使いにくいツールの有用性と必要性を説くのです。

 

そしてそれを満足そうに見つめながら、「君らは感覚で行動したり、発言したりしてるだけだ。日並研究所さんはデータや数字に基づいてこう言われてるんだからちゃんと実行しなさい」という常務・・・。

 

有名な言葉ですが、「事件は会議室で起こってるんじゃない、現場で起こっているんだ!」って感じです。

 

また、「感覚」で考えたり行動したりせず、「データや数字」に基づいてそれを行えと言われても、現場のほとんどは「感覚」で動いています。

その感覚を可視可能、制御可能、合理化可能にするものが本来のツールであり、「感覚」を否定したそばからそのツールは使えなくなります。

 

また、以下の問答がよくありました。

日並:「なぜここの実績が伸びていなんですか?」

YOU太郎:「あ、ここに関しては主権者ではないとのことで、すぐに契約まですすめないことがあるんです。」

日並:「そうですか、主権者じゃないからと言われるのは全体の何パーセントの方ですか?」

YOU太郎:「は?そんな統計はとっていません。」

日並:「統計もとっていないのになぜそんなことが言えるんですか?」

YOU太郎:「??????」

日並:「じゃあ統計のシートを作るので明日から毎日統計をとってください」

YOU太郎・・・またシート増やすの???そんなに増やしてまともに使うわけないじゃん。

 

このコンサルタント、実績の伸び悩みを解決するためのノウハウやツールを提供するのではなく、わざわざ余計な仕事を増やすために月一日使って会議してんのか?

 

それに、「データと数字で話をしろ」というなら、あなたがその統計をとっておいて、「いやYOU太郎さん、そんなお客さんは全体の20%しかいませんでしたよ?原因はそこではなく、スタッフの行動の問題ではないですか?」とまで言ってくれれば、私はぐうの音もなく従うでしょう。

 

コンサルタントは数字のプロじゃなくてはいけないのは分かります。

でも私のうがった見方で解釈すると、このコンサルタント理論武装をしてコンサルティングする会社の幹部よりも優位に立つことで自社の必要性を印象付け、仕事のための仕事を増やすことで多くのノウハウやツールを売りつけているようにしか思えないです。

 

もちろんその中に有用なものがないわけではないですが、多すぎると使えないのです。

結果、「現場に則したツールやノウハウを利用して実績を伸ばす」のではなく、無理やり押し付けられたツールをとりあえず使うことが仕事になって、負荷だけ増えて実績は伸びないという実に残念な結末になってしまったのです。

 

「データや数字」に基づいて考え、行動しない者はプロではないと言われるが、コンサルティングと言いながら会社やスタッフの特性をつかもうともせず、押しつけ仕事だけで結果に導けない者もプロではないです。

 

次回に続きます。